きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




目からウロコが落ちた気分だった。


フォークダンスは、毎年二曲踊ることになっている。


ペアになって踊り、順に相手を変えていくものと、輪になって手を繋いで踊るものだ。


一曲目は、運が悪くなければ自分が好きな人と踊れるが、その代わりに他の人とも踊るということだし、しかも自分と踊るのは一瞬だけで、他の人と踊っている時間の方が長いのだ。


あたしは、好きな人と踊れるということだけしか考えていなかったけれど、確かに、恵の言うことはもっともだ。


「小宮と抜け出しちゃえば?」


あたしの提案に、目を丸くする恵。


「いいのかな、そんなことして…」


不安げに言うけれど、解決案が見つかってほっとしたのか、さっきより生き生きした表情をしている。


「小宮、いいって言うかな?みんなで騒ぎたいんじゃないかなぁ」


「二曲目は戻ってきて、みんなで踊ればいいじゃん」


その提案に、ぱっと笑顔になる恵。


「そっか!話してみる!」


「ここはいいから、今行っておいでよ」


「うん!ありがと!」


そう言って、壁の写真を見ていた小宮のもとに駆け寄る恵。


小宮は頷いているみたいだ。


恵の提案が採用されたらしい。


恵がこちらを見て、指で丸を作って見せた。