他のクラスの友達はもちろん、父兄や一般の来場者がたくさん来てくれたおかげで、写真館は大盛況だった。
みんな笑顔で楽しそうで、それがうれしかった。
一般の来場者には、記念にと写真を持ち帰ってもらい、同じ中学の人には後で渡すことができるので、壁に貼っておいてもらうようにお願いしていた。
教室の壁はみるみる写真でにぎやかになり、手が空いた時間に眺めるのが楽しかった。
「あれ?もう交代?」
一緒の当番で教室にいる男子の一人が、背後で誰かと話しているのが聞こえてきた。
その言葉につられて壁の時計を見るけれど、まだ時間には早い。
「写真撮ってよ!」
廊下から聞こえてきたその声に、心臓が大きく跳ねる。
雄平だ。
一緒にいるのは、誰?
香織?
ドクドクと鳴る胸を押さえながら、恐る恐る振り返ると、
「俺、アフロかぶる!」
「じゃあ俺、大仏ー」
数人の男子が教室になだれ込んでくる。
男友達と来たようだった。
ほっとした。
香織と雄平のツーショットなんて、平常心で撮れるわけがなかった。



