でも。
強張らせた体は、将太君の両腕に、ふわりと包まれた。
「ごめん…」
耳元で聞こえた、かすれた将太君の声。
そっとそっと、抱きしめてくれている。
あの、強引で乱暴なことをした将太君が、すごく優しくて、混乱する。
振り払おうとすればできるくらいの力なのに、体を動かすことができなかった。
怖さは、全くない。
あの日のことは、トラウマになっていてもおかしくないような出来事だったのに、あたしは将太君を、受け入れている。
ふーっと長く息を吐き、将太君が小さな声で、独り言のようにつぶやく。
「やっぱ俺、好きだ…」
心臓が、跳ねた。
そういえば、将太君にはっきりと好きだと言われるのは初めてだ。
自分の心の変化を、認めざるを得なかった。
あたしは、戸惑っている。
すごく、戸惑っている。
他の人に告白された時よりずっと、戸惑っている。
どうして?
子供だと思っていたのに、急に男っぽくなってしまったから?
ただ、それだけのこと?



