きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




でも。


強張らせた体は、将太君の両腕に、ふわりと包まれた。


「ごめん…」


耳元で聞こえた、かすれた将太君の声。


そっとそっと、抱きしめてくれている。


あの、強引で乱暴なことをした将太君が、すごく優しくて、混乱する。


振り払おうとすればできるくらいの力なのに、体を動かすことができなかった。


怖さは、全くない。


あの日のことは、トラウマになっていてもおかしくないような出来事だったのに、あたしは将太君を、受け入れている。


ふーっと長く息を吐き、将太君が小さな声で、独り言のようにつぶやく。


「やっぱ俺、好きだ…」


心臓が、跳ねた。


そういえば、将太君にはっきりと好きだと言われるのは初めてだ。


自分の心の変化を、認めざるを得なかった。


あたしは、戸惑っている。


すごく、戸惑っている。


他の人に告白された時よりずっと、戸惑っている。


どうして?


子供だと思っていたのに、急に男っぽくなってしまったから?


ただ、それだけのこと?