きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




変な考えを追いやろうと、将太君に話しかける。


「背、伸びたよね。声変わりも」


将太君は、もう飲み干してしまった缶を、ゴミ箱に捨てた。


「もう杏奈より大きくなったよ」


将太君はあたしに近付いて、背比べをするように頭の上に手をかざす。


あたしの視線はだいたい将太君の鼻くらいだけど、まだそんなに身長差がない。


だから、視線が絡まる。


至近距離で見る将太君は、やっぱりかわいい顔をしていた。


肌が綺麗。


まだ、ヒゲはあまり生えてこないんだな…なんて考えながら、見とれてしまった。


「杏奈…」


ささやくように呼びかけられて、ようやく気付く。


今の状況に。


至近距離で見つめ合うふたり。


しかも相手は、前科一犯。


やばい、と思った時には遅かった。


将太君の顔が近付いた。


今度こそ、キスされる。


あたしのファーストキスが、奪われてしまう。