きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




「杏奈!」


ニコニコ顔の将太君が、まだ茫然としているあたしに駆け寄って来る。


額の汗が、照明を反射して光る。


それと同じくらい、キラキラしている将太君の目。


「嘘でしょ…」


「嘘じゃないよ。俺が勝ったの。すごいでしょ」


将太君は、あたしの前で誇らしげに胸を張る。


まだコートの中で立ちつくしているクラスメイトに視線を移す。


みんな、言葉を失っていた。


雄平は床にぺったりと座り込んでいて、こちらからは表情が見えない。


胸がズキズキする。


こんなふうに打ちひしがれた雄平を見るのは、初めてのことだ。


「行こっ」


将太君があたしの肩を抱くようにして、強引に歩かせる。


「え、え、ちょっと、」


あたふたとするあたしをよそに、ずんずんと歩みを進める将太君。


半ばさらわれるようにして、あたし達は体育館を後にした。