将太君が率いる一年二組の混合チームは、いとも簡単に勝ち上がり、決勝戦にまで進んでしまった。
決勝戦の相手は、あろうことか、あたしのクラスだった。
お膳立てされたような展開に唖然とする。
「杏奈、応援してねっ」
コートからひらひら手を振る将太君。
その瞬間、クラスのみんなからにらまれて、
「無理!」
慌てて否定する。
「一年坊、調子に乗るなよ?」
ネット越しに立っている雄平が冗談めかして言うと、将太君は雄平の方へ足を向けた。
「ケンカしないでよ!」
春の体育大会では、見事にぶつかり合っていた二人。
ネット越しに顔を突き合わせて何か言い合っており、つかみ合いにならないかと冷や冷やしながら見守る。
幸い、以前より少し大人になった二人が声を荒げることはなかったけれど、突然、雄平があたしの方を見て、指をさした。
「こっちが勝ったら、ジュースは俺のだからな!」
どうやら将太君は、さっきの約束を雄平に話したようだ。
「はぁ!?雄平に買ってあげるなんて誰が言ったのよ!」
そう言い返すけれど、
「絶対勝つ!」
雄平はチームメイトと手を合わせて、気合いを入れ直した。
あたしはため息をつく。
いったい、どうなってしまうのだろう。



