体育館に戻ると、恵が興奮しながらあたし達の手を引いた。
「ちょっと見てよー!一年生にすごい子がいるんだから!」
恵の視線を追いかけると、隣のコートにたどり着く。
男女混合チームの試合が行われていた。
「ほら!あの子!」
細身の男子が飛び上がって腕を振り上げ、スパイクを打つ。
その球は勢い良く相手コートの床に叩きつけられた。
仲間と手を合わせているその男の子に、なんとなく見覚えがあるような気がする。
試合が終わって近くを通った時、その子と目が合うと、パッと笑顔になった。
向こうはあたしのことを知っているらしいのに、あたしは思い出せないなんていう状況にあたふたとしていると、
「杏奈!見てた!?」
その口調で気付いた。
将太君だ。
背が伸びて、声も低くなって、まるで別人だ。
「将太君だったんだー。気付かなかった」
そう言って歩み寄ると、はにかむ将太君。
雰囲気も落ち着いたみたいだ。



