きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




体育館に戻ると、恵が興奮しながらあたし達の手を引いた。


「ちょっと見てよー!一年生にすごい子がいるんだから!」


恵の視線を追いかけると、隣のコートにたどり着く。


男女混合チームの試合が行われていた。


「ほら!あの子!」


細身の男子が飛び上がって腕を振り上げ、スパイクを打つ。


その球は勢い良く相手コートの床に叩きつけられた。


仲間と手を合わせているその男の子に、なんとなく見覚えがあるような気がする。


試合が終わって近くを通った時、その子と目が合うと、パッと笑顔になった。


向こうはあたしのことを知っているらしいのに、あたしは思い出せないなんていう状況にあたふたとしていると、


「杏奈!見てた!?」


その口調で気付いた。


将太君だ。


背が伸びて、声も低くなって、まるで別人だ。


「将太君だったんだー。気付かなかった」


そう言って歩み寄ると、はにかむ将太君。


雰囲気も落ち着いたみたいだ。