きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




美保のトイレを待って、一緒に体育館へと続く廊下を歩く。


「杏奈と小野君って、お互い好きなんだと思ってたから、小野君が香織と付き合い始めてびっくりしたよ」


「雄平とは、一年生の時からずっと同じクラスだからね。腐れ縁だよ」


「なんかいいなぁ。そういう感じ」


ふふっと笑う美保。


「でも香織はちょっと複雑かもね。彼氏に仲良しの女の子がいて、それが自分の親友って」


美保のその言葉に、あたしは腕組みして、うーんとうなる。


「やっぱり、そうだよね」


「あたしが言うのも変だけど…。小野君のこと、好きにならないでね。香織のこと、裏切らないでね」


裏切り…。


そう、雄平を好きでいることは、香織に対する“裏切り”なのだ。


「四人で笑って卒業したいんだぁ。杏奈と香織のこと、恵と同じくらい好きなんだからね!」


美保はそう言いながら、あたしの腕にからみつく。


あたしにとっても、美保は大切な友達。


恵だって、もちろん、香織だって。


「大丈夫だよ」


あたしは美保に向かって、大きく頷いた。


大丈夫。


すぐに、忘れるから。