そして迎えた秋の体育大会当日。
我が女子チームは二回戦敗退となり、残りの時間は観戦するのみとなった。
球技はプレイするより見る方が好きなあたしにとっては、大きな声では言えないが、早い段階でこうなることを期待していた。
ゆったりした気分で、二つのコートを行ったり来たりしながら、試合観戦を楽しむ。
雄平達の混合チームは、当然のごとく勝ち上がっていた。
最初から飛ばさないのは作戦なのか、雄平の本気のスパイクは、まだ繰り出されていない。
そつなく試合をこなしているという感じだった。
それでも、確実に正しい場所に返すレシーブや、めったにはずさないサーブに、雄平のうまさはにじみ出ている。
あたしはその綺麗なプレーに見入ってしまう。
それはたぶん、雄平であることを差し引いても。
けれどたぶん、雄平であるからこそ。
あたしは、雄平を目で追うことを、やめられなかった。



