千葉が心配して、あたしを保健の先生のもとへと連れて行ってくれた。


電車も先生のそばに席をあけてもらい、そこで休むことになった。


ほっとした。


香織と顔を合わせるのは、まだ辛い。


ごめん、香織。


親友なのに。


香織の彼氏を、好きになってごめん。


この気持ちを消すまで、少しだけ待っていて。


いつのまにか眠っていて、あっという間に地元に着いた。


改札に母親の顔を見つけた。


先生が連絡をしてくれたらしい。


母親は先生に何度も頭を下げていた。


ぼんやりしたまま車に押し込まれ、病院に寄って帰った。


異常がないどころか、風邪ですらなく、それにがっかりしてしまう自分がいた。


熱にうなされる苦しみで、現実逃避したかった。


そんな苦しみなら、ずっと続いたっていいと思った。