雄平が離れていく。
当たり前のようにあたしのそばにいた雄平は、もういない。
『目印。持ってて』
ちょっと照れくさそうな、雄平の顔が脳裏をよぎる。
『それがあれば、すぐに居場所がわかるな』
そんなあいまいな言葉を、雄平は昨日、現実にしてくれた。
『運命だね』
いつもふざけてそう言う雄平に、今度はあたしが言いたかった。
『運命だよ』
雄平があたしを見つけてくれたのは、運命だったんだって。
でも現実は違った。
あたし達は、運命なんかで繋がれていない。
だから、この鈴がなくなったら、雄平とあたしを繋ぐものが、完全に失われる。
せめて、この鈴にだけは、あたしのそばにいてほしい。
必死で伸ばした手が空を切る。
もう、あたしの手は届かない。
「おい!危ないって」



