雄平の両手に包まれて、きつく抱きしめられた。
目がじんわりと熱くなる。
これは現実なの?
本物の雄平なの?
どうしてここにいるの?
わからないことばかりで混乱しながらも、雄平の体の熱さだけは、はっきりと感じていた。
安心した。
ドキドキしているのに、不思議と心が落ち着いていった。
ずっとこうしていたいと思った。
けれど雄平は、抱きしめたのと同じくらい乱暴に、あたしの両肩を持って体を離す。
「このバカ!心配したぞ!」
雄平があたしを叱りつけるので、つい、いつもの調子で言い返す。
「バカって何よ!そりゃあ、みんなに迷惑かけたのは悪かったけど、あたしはちゃんと決めた通りに次の場所に来たもん!」
自信満々にそう言うと、雄平がさらに声を荒げる。
「バァカ!!ここのどこが、“次の場所”なんだよ!」
「…へっ?」
雄平の言葉にぽかんとする。
すると雄平は、呆れたようにため息をついて言った。
「…バカ。ちゃんと確認しろ」
どうやらあたしは、場所を間違えていたらしい。



