おそらく、まだみんなお土産屋さんにいたけれど、あたしが見つけられなかったせいで、勘違いして先に次の目的地に来てしまったのだろう。
あたしを待っていてくれたみんなに、申し訳なく思う。
戻って行き違いになっても困るので、きっともうすぐ来てくれるだろうことを信じ、境内の石段に腰かけて待つことにした。
手を後ろについて、上体を反らせる。
うっそうと茂った木々が枝を広げ、空がほとんど見えない。
時折、風がさわさわと葉を揺らし、野鳥が行ったり来たりしていた。
静かだった。
今までいた場所がにぎやかな観光地だった分、この静寂に違和感を感じる。
少し、心細くなる。
「まだかなぁ…」
わざと声を出して言ってみるけれど、静寂の中に吸い込まれて消えていき、そのことがあたしを不安にさせた。
ずいぶんと広い境内だから、別の場所にいるのだろうか。
探した方が良いのか、待っていた方が良いのか…。
わからない。
どうしたらいいのだろう。
軽いパニックに陥る。



