でも、そんな疑念はすぐに打ち消されることになる。
あの一件以来、宮下さんがたまに話しかけてくれるようになり、一緒にいる友達とも話すようになり、その繰り返しのおかげで、あたしは徐々にクラスに打ち解けることができた。
さらに、いつの間にか「香織」「杏奈」と呼び合うようになるほど、あたし達は気が合った。
タイプは全然違うのに、不思議でならない。
それは雄平にも感じられるようで、
「宮下。杏奈にいじめられてるんなら言えよ」
なんて言ってる。
「雄平、失礼なこと言わないでよ。まるで香織が嫌々あたしと一緒にいるみたいじゃん」
「え?そうじゃないの?」
心底驚いた顔をする雄平に、あたしは本気で殴りにかかる。
「雄平!」
「うわぁっ!宮下、助けて助けて!」
そうやってバカみたいにじゃれてるのを、香織はクスクス笑いながら見ているのがいつものことだ。