きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




恵が教えてくれた“狭い”露天風呂には誰もおらず、貸切状態だった。


お湯加減もちょうど良く、香織とゆっくり話せそうだ。


「恵と小宮は、すれ違ってるだけだったの!」


まずは、小宮と話したことを報告する。


「よかったぁ。じゃあ今頃、仲直りのちゅーしてるかもね」


ニヤニヤするあたし達。


「カップル誕生かぁ。いいな…」


香織は、空を見上げてため息混じりに言う。


あたしも同じように見上げると、湯気の向こうの真っ暗な空に、星がいくつか光っていた。


「あたしも告白しちゃおうかな」


香織が言う。


最初、意味がのみ込めなかった。


でもすぐに理解する。


雄平と、香織が、恋人同士になるかもしれないということを。


胸がざわざわと騒ぎ出す。


そしてあたしはそれに戸惑う。


応援しているはずなのに、あたしは、二人がうまくいくことを、怖がっている?


違う。


あたしはちゃんと、香織を応援している。


だから、


「実は、千葉に告白されちゃったんだ。付き合った方がいいかなぁ」


わざと強がって、そう言った。