恵が教えてくれた“狭い”露天風呂には誰もおらず、貸切状態だった。
お湯加減もちょうど良く、香織とゆっくり話せそうだ。
「恵と小宮は、すれ違ってるだけだったの!」
まずは、小宮と話したことを報告する。
「よかったぁ。じゃあ今頃、仲直りのちゅーしてるかもね」
ニヤニヤするあたし達。
「カップル誕生かぁ。いいな…」
香織は、空を見上げてため息混じりに言う。
あたしも同じように見上げると、湯気の向こうの真っ暗な空に、星がいくつか光っていた。
「あたしも告白しちゃおうかな」
香織が言う。
最初、意味がのみ込めなかった。
でもすぐに理解する。
雄平と、香織が、恋人同士になるかもしれないということを。
胸がざわざわと騒ぎ出す。
そしてあたしはそれに戸惑う。
応援しているはずなのに、あたしは、二人がうまくいくことを、怖がっている?
違う。
あたしはちゃんと、香織を応援している。
だから、
「実は、千葉に告白されちゃったんだ。付き合った方がいいかなぁ」
わざと強がって、そう言った。



