きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




千葉の彼女になる人は、きっと幸せだろうと、前から思っていた。


千葉のさりげない優しさは、女の子を喜ばせる。


あたしは、千葉と一緒にいるのを心地良く感じていた。


話していて楽しいし、優しくしてくれるし、時にはドキドキさせてくれる。


きっと、もっと一緒にいたら、今よりずっと好きになる。


そう思うのなら、付き合う?


でも、今、好きだとはっきり言えないのなら、付き合うべきじゃない?


好きになってからでも、遅くはないのかもしれない。


でも、千葉は待っていてくれるだろうか。


そんなことを思ったあたしは、千葉と、本気で付き合いたいと思っているのだろうか。


わからない。


答えなんて出るのだろうか。


簡単に付き合ってしまうこともできる。


でも、あんなにも真剣にあたしを想ってくれている千葉に対して、いい加減な気持ちで向き合いたくない。


どうしたらいいのだろう。


「杏奈、大丈夫?泣きそうな顔してるよ」


部屋で出迎えてくれた香織の手が優しく肩に触れて、自分の中でぐるぐると回っていた感情が、あふれ出した。


「香織、どうしたらいいのか、わかんない…」


あたしは香織の小さな肩に、顔をうずめた。