きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




ドキドキしすぎて、苦しかった。


昨日の夜、一緒に布団の中に隠れていた時よりずっと、ドキドキする。


千葉の視線に耐えかねて、あたしは顔を下に向けて、目をぎゅっと閉じて言う。


「あたし…千葉のことそういうふうに考えたことなくて…ごめん…」


千葉にとって辛い言葉なのに、優しい声色のまま、


「仕方ねーよ。でも今からそういうふうに見てくれればいい。なぁ、一回本気で考えてみてくれないか?」


そっと、言う。


あたしはもう一度、千葉と目を合わせる。


「頼む…」


その目があまりに真剣で、


「うん…」


あたしは自然と頷いていた。


「…ごめんな、急に」


そう言うと、千葉はジュースを飲み干して、ゴミ箱に缶を捨てた。


あたしもそれに習う。


「部屋、戻るか」


千葉はいつもの、ちょっとクールな表情に戻っていた。


千葉の大きな背中を見ながら、考える。


あたしは千葉と、本気で考えると約束した。


今までみたいに、断るのが当然というのではなく、千葉と付き合うことについて、考えるということだ。


千葉のことは、好きだ。


でも、それを恋だと思ったことはなかった。


恋って、何?


千葉のことは、男の人として見ているつもりだ。


だって、見つめられるだけで、ドキドキする。


それは、恋?