きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




千葉の、ちょっと色素の薄い目が、あたしをまっすぐに見つめている。


一呼吸遅れて、心臓がドクンと鳴り、みるみるうちに動悸を速める。


千葉は小さく笑い、あたしから目をそらして、手元の缶に視線を落とした。


「伊田って、俺には高嶺の花だから、告るつもりなんてなかったんだけど」


思いもよらない言葉に戸惑う。


「あたしなんて、そんな…」


「いや、ほんとに。一年の時からクラスで一番大人っぽくて、美人で。実は結構いるんだぜ、伊田のファン」


顔が熱くなる。


そんなことを思われていたなんて、うれしいことなのだけど、恥ずかしさの方が大きい。


「でも、告られまくってるの見て、嫉妬してる自分に気付いた。好きでいるだけでよかったはずなのに、他の奴にとられたくないって、思うようになった。人間って、欲張りだよな…」


千葉は自嘲気味に笑う。


あたしはただ戸惑うばかりで、何も言えなかった。


「伊田…」


千葉があたしを呼ぶ。


そっと顔を上げて隣を見ると、優しい表情をした千葉と目が合い、心臓が跳ねる。


そんな目で見つめられたことなんてない。


千葉は、あたしを好きでいてくれているんだ。


それが、痛いくらいに伝わってきて、あたしの胸を騒がせる。