千葉の、ちょっと色素の薄い目が、あたしをまっすぐに見つめている。
一呼吸遅れて、心臓がドクンと鳴り、みるみるうちに動悸を速める。
千葉は小さく笑い、あたしから目をそらして、手元の缶に視線を落とした。
「伊田って、俺には高嶺の花だから、告るつもりなんてなかったんだけど」
思いもよらない言葉に戸惑う。
「あたしなんて、そんな…」
「いや、ほんとに。一年の時からクラスで一番大人っぽくて、美人で。実は結構いるんだぜ、伊田のファン」
顔が熱くなる。
そんなことを思われていたなんて、うれしいことなのだけど、恥ずかしさの方が大きい。
「でも、告られまくってるの見て、嫉妬してる自分に気付いた。好きでいるだけでよかったはずなのに、他の奴にとられたくないって、思うようになった。人間って、欲張りだよな…」
千葉は自嘲気味に笑う。
あたしはただ戸惑うばかりで、何も言えなかった。
「伊田…」
千葉があたしを呼ぶ。
そっと顔を上げて隣を見ると、優しい表情をした千葉と目が合い、心臓が跳ねる。
そんな目で見つめられたことなんてない。
千葉は、あたしを好きでいてくれているんだ。
それが、痛いくらいに伝わってきて、あたしの胸を騒がせる。



