あたしのあまりの剣幕に、小宮はふっと表情を緩めて、頷いた。
「ったく、言ってんじゃん。好きだった女に、恋の応援されるとか、辛いって」
冗談めかして言うけれど、それは本音なのかもしれない。
だから、言う。
「ありがとう。あたしなんかを好きになってくれて」
すると小宮は、
「そういうとこ、伊田らしいよ。モテるくせに、自分の魅力にも気付いてないんだもんな。お前ってほんと、鈍いよ。…そういうところが、好きだったんだ」
そう言った。
ふいに、泣きそうになった。
こんなふうに思ってくれていたことが、すごくすごく、うれしかった。
「さて、と。昔の恋に決着つけたところで、新しい恋とでもいきますか」
小宮がそう言って伸びをする。
「あいつんとこ、行ってくる。ちゃんと話してくるよ」
「うん、ありがと。恵のこと、よろしくね」
「わかってる。もう泣かせないよ」
そう言った小宮の背中は、とてもたのもしく見えた。
よかった。
恵、本当によかった。
今度こそ、素直に気持ちを伝えられますように。
恵なら、大丈夫。
二人が並んで歩く光景を想像すると、頬が緩む。
なんだかとても幸せな気分。
一人でニヤニヤしながら幸せにひたっていると、
「告白されて喜んでんの?」
突然声が飛んできて、腰を抜かすかと思った。



