きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




あたしのあまりの剣幕に、小宮はふっと表情を緩めて、頷いた。


「ったく、言ってんじゃん。好きだった女に、恋の応援されるとか、辛いって」


冗談めかして言うけれど、それは本音なのかもしれない。


だから、言う。


「ありがとう。あたしなんかを好きになってくれて」


すると小宮は、


「そういうとこ、伊田らしいよ。モテるくせに、自分の魅力にも気付いてないんだもんな。お前ってほんと、鈍いよ。…そういうところが、好きだったんだ」


そう言った。


ふいに、泣きそうになった。


こんなふうに思ってくれていたことが、すごくすごく、うれしかった。


「さて、と。昔の恋に決着つけたところで、新しい恋とでもいきますか」


小宮がそう言って伸びをする。


「あいつんとこ、行ってくる。ちゃんと話してくるよ」


「うん、ありがと。恵のこと、よろしくね」


「わかってる。もう泣かせないよ」


そう言った小宮の背中は、とてもたのもしく見えた。


よかった。


恵、本当によかった。


今度こそ、素直に気持ちを伝えられますように。


恵なら、大丈夫。


二人が並んで歩く光景を想像すると、頬が緩む。


なんだかとても幸せな気分。


一人でニヤニヤしながら幸せにひたっていると、


「告白されて喜んでんの?」


突然声が飛んできて、腰を抜かすかと思った。