きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




小宮は恵のことを、好きになりかけていると言った。


恵は小宮のことが好き。


だったら、どうしてうまくいかなかったの?


「どうして、『忘れて』…なんて言ったの?」


「俺…最低だよ。あいつの気持ち、試そうとしてたんだと思う。『忘れて』って言ったら、あいつ、笑って『うん』って言うんだもんな」


違う。


「ショックだった。その顔見た時、思った。なんだ、こいつにとって、その程度のことだったんだ…って」


違うよ。


恵は、大好きな小宮が『忘れて』と言ったから、それを受け入れた。


本当は、忘れることなんてできない、大切な出来事だったのに、笑って頷くしかなかった。


二人は、すれ違っていただけなんだ。


目の前の霧が、ぱっと晴れたような気分だった。


あたしは小宮の腕をつかんで、言う。


「恵に、ちゃんと話してくれないかな。大丈夫。うまくいくから、絶対」


お願い。


思い合っているのに、すれ違ったままなんて、悲しすぎる。