きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




その日の夜、夕食の会場から部屋に戻ろうとしていると、千葉があたしを呼んだ。


隣には小宮がいる。


千葉が、小宮と話す機会を作ってくれたんだ。


香織にだけ耳打ちして、この後のお風呂には、みんなで先に行っていてもらうように伝える。


千葉と別れて、小宮と二人で、ひと気のない奥まった場所に移動した。


自動販売機が二台並んでいて、うなるような音が鳴っている。


足元に視線を落としたままの小宮に、単刀直入に問う。


「恵のこと、好きじゃないの?」


小宮は顔を上げて、あたしの目を見た。


そして、耳を疑うことを言った。


「…辛いもんだな。好きだった女に、そういうこと聞かれるのって」


言葉が、出なかった。


好きだった女?


小宮が、あたしを?


「そんな困るなよ。過去形だろ」


小宮は小さく笑い、壁にもたれた。


「今はあいつのこと、好きになりかけてる。さすがに、好きでもない女にキスはしない。…って、このこと、あいつから聞いてるんだよな?」


自分の発言に慌てる小宮に、あたしは小さく頷く。


「…ちょっと待って、だったら」


頭の中が整理されてくると、矛盾に気付く。