小宮のさっきの態度を思い出していると、何かがおかしいことに気付く。
恵のことであたしに責められるのを嫌がっているだけには思えない。
自分も傷付いたと言っていた。
恵が何か言ったとは思えないけれど、あたしが聞いた以上のことがあったのかもしれない。
考え込んでいると、千葉があたしの肩を押して、隣に並んだ。
いつの間にか車通りの多い道に差し掛かっていて、千葉が車道側を歩いてくれていることに気付く。
「後で話せるようにしてやるから。もう考え事はやめて、楽しめば?」
千葉にはすっかりお見通しだ。
小宮のフォローもしてくれたようで、今は森と楽しそうに笑い合っている。
「そうだね。ありがと」
力が抜けて、自然と笑うことができた。
「雰囲気悪いと、あいつがかわいそうだから」
そう言って、前を歩く恵に視線を送る。
本当に、千葉はまわりをよく見ている。
あたしは、結局は自分のことばかりだった。
小宮の態度が納得できないから、問い詰めようとしていた。
それは、恵のためじゃなかった。
千葉みたいに、まわりにちゃんと気を配って、優しくできるようになりたい。
そうできれば、今回みたいな形で誰かを傷付けることは、きっとなくなる。



