きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




その日、ずっと上の空だった恵のために、なんとか小宮と二人きりになれるように、あたしは手を尽くした。


そしてそれに成功し、喜ばしい気持ちで、戻ってくる恵に手を広げた。


でも、恵は目にいっぱいの涙をためて、美保が肩に触れたと同時に、ポタポタとこぼれ落ちた。


小宮と思いが通じ合ったうれし涙なんかじゃないことは、容易にわかった。


顔をゆがめ、奥歯をかみ締めて、美保の胸で静かに泣く恵に、問いかける。


「告白、したんじゃないの?」


告白したとしたら、こんな結果にはなっていないはず。


それとも、小宮が恵のことを好きだというのは、あたしと千葉の思い込みだったのだろうか。


「…できなかった」


消え入りそうな声で、恵は言う。


「昨日のこと、忘れてって、言われた…」


恵は嗚咽をもらす。


「どういう、こと?」


「そんなの…言わせないでよ!」


恵があたしを見た。


怒りの混ざった目にひるむ。


でも、これは自信を持って言える。


「それでも、恵の思いは伝えるべきだよ」


「言えるわけないじゃん!」


恵は声を荒げる。


「忘れてってことは、あたしのこと好きじゃないってことだよ!?忘れて、なんて言われて、馬鹿みたいに告白なんてできるわけないよ!」


そう言って、美保の肩に顔をのせ、再び肩を震わせた。