廊下に響く足音が遠ざかり、完全に聞こえなくなってから、あたし達はもぞもぞと布団から這い出た。
「早く戻った方がいいね」
先生の部屋は男子と同じ階で、見回りはそこからスタートしたはずだから、上の階の女子の部屋は、この後に見回るに違いない。
あたし達は、先生が向かったのと反対側の階段を使うことにした。
「気をつけてな」
男子に見送られて、スリッパを手に持って、廊下を走った。
「恵、大丈夫?」
少し遅れている恵を振り返る。
なんだかぼんやりしているのは、布団にもぐっていて暑くなってしまったからだろうか。
心配しながらも、ゆっくり話している場合でもないので、あたしは恵の手を引いて歩き出す。
部屋に戻ってすぐ、先生の足音が聞こえ、順番にドアを開けて回っている物音が近付いてきた。
「女子の部屋もあのやり方って、やばいよねぇ」
「教育委員会に訴えちゃおうか」
そう言いながら、笑い合う。
ひそひそ声が聞こえてしまったのか、
「早く寝ろー」
先生はノックもせずにドアを開けてそう言い、次の部屋に向かった。



