きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




実は大富豪のルールを熟知しているあたしは、千葉の説明に生返事しながら、恵達ばかり見ていた。


勘のいい千葉は、すぐにそれに気付く。


「おい、伊田。やり方知ってるだろ」


耳元でこっそりとそう聞いてくる千葉。


「バレた?」


へへっと笑ってごまかす。


みんなの前で問いただしたりしないところが、千葉のいいところだ。


「もしかして、あの二人をくっつけようとしてるわけ?」


目だけで、小宮と恵を指す。


「それもバレてた?」


男子に知られたなんて言ったら、恵に怒られてしまう。


まあ、千葉なら誰にも言わないでくれるだろうから、心配はないけれど。


千葉はニヤニヤしながら、


「ふうん」


とだけ言う。


なんだか、意味深。


もしかして、


「小宮って…」


言いかけるけれど、それ以上を言わせない千葉。


「それは俺の口からは言えないなぁ」


でも、顔ではちゃんと言ってる。


小宮は恵のことが好きなんだ。


すごい、両思いだなんて。


自分のことのようにうれしくなってくる。


早く告白して、恋人同士になれるといいのに。


修学旅行中に、どうにか恵に告白させたい。


どうすればいいだろうと思案していると、廊下から声が聞こえてきた。


「消灯時間過ぎてるぞー!」