『あなた…』 嘆くお母さんに言った。 『おとうさん、起きないの?』 『………奈津…!』 お母さんの顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃだった。 『お父さんね、天国に行ったのよ』 『てんごく?』 『もう、お母さんたちのところには帰ってこないの』 泣くのを必死に堪えて言うお母さんの顔は、今でも鮮明に思い出すことができる。 『……おとうさん…』