「下の名前は内緒。僕はお巡りさんだからね」 「宝城さんのケチぃ! みんな、そろそろ帰ろぉ?あかね、疲れちゃったぁ…」 取り巻きの女子たちは「ウチも~」「うん。疲れたね」など、茜の会話に合わせる。 「宝城さん、失礼しますぅ☆」 ぼーっと立っていた私に、茜は目で『オラ行くぞ!!』と言っている。 「……行かなきゃ」 「奈津、またね」 琥珀が手を振って、そう言った。 私は会釈して茜のところへはや歩きする。