「…あのさぁ!やっぱり、何かあるの?」 「たまたま両親が旅行で……」 私は嘘をついた。 他人に自分の家庭内のこと、知られたくないし。 「なら良いけど」 琥珀はメモを取り出し、何かを書いて私に渡した。 「何かあったら、いつでも連絡して。」 メモには電話番号とメアドが書かれていた。 「こういうこと言うの、あんま好きじゃないけど…家庭内の問題は何かが起こってからじゃ遅いから。お節介でごめん。じゃ」 琥珀は走り去った。 私はメモを見つめたまま動けなかった。