宝城さんは自転車を引っ張り出して、現場へ行ってしまった。 「あら、貴女はどうしたの?」 「この…ひったくりのおじさんを止めて…」 「そうなの!すごいわね!じゃあ、宝城の変わりに事情聴取するわね。事情聴取ってほどでもないから安心しなさい」 長崎巡査長さんはにっこり微笑んで、私に質問をし始めた。 もう、日が暮れそうだ。