通学中、バイクに乗っていても美愛が家に帰れたのか心配している俺がいる。

 俺は頭がおかしくなったのか?

 一人の女のことばかり考えているなんて、どう考えたっておかしい。

 バイクをスーパーに止めて俺は学校まで歩いた。

 教室に入ると、将人がクラスメイトに囲まれていた。あのパッとしないヤツが囲まれてるなんて珍しいな…。

 そう思っていると、渚が俺に駆け寄ってきた。

「玲央くん、知ってたんですね。将人の妹が行方不明だって」

 俺は驚いて、「は?」と聞き返す。

「だって、美愛ちゃんを保護してましたよね?」

 俺が美愛をいとこだと言ったことは忘れているらしい。

「保護?美愛は――」

 すると、将人が俺に駆け寄ってきた。

「ありがとうございます!美愛がいなくなってずっと探してたんです!」