玄関を見に行くと、美愛に貸したサンダルが消えていた。

 まさか。

 嫌な予感がした。

 美愛が、家出…?

 そりゃ、いつかはいなくなると思ってたけど。

 でも、こんなあっさりいなくなるものなのか?

 俺は、リビングに戻った。

 買い置きしてあったカップラーメンを食べながら、新聞紙をめくる。

 行方不明の女の子を捜してるって見出しに俺は目を奪われた。

「…美愛?」

 新聞紙の掲載された写真の少女は、間違いなく美愛だった。

「なんだよ…帰るところあるんじゃねぇかよ」

 俺は呟いた。