「ない」 俺の言葉に、美愛は「ふぅーん」と言って俺から離れていく。 「…あ、そうだ」 俺はあることを閃いた。 「美愛、体温計買ってきてくれないか?」 俺の提案に、美愛は顔をひきつらせた。 「やだぁー!」 何もそんなに強調しなくたっていいのに。 「頼むよ美愛。このままだと俺、死んじゃうよ」 少し大げさに言ってみた。 「え!?玲央にゃん死んじゃうの!?」 美愛が「死ぬ」に反応する。 「え?」 「行く!外怖いけど、買いに行く!」