それは、翌朝のことだった。 体が妙に重くて、動こうとすると頭に激痛が走った。 「な、なんだこれは…」 感じたことのない感覚だった。 なんなんだ、これは一体。 …これが俗にいう風邪ってヤツか? 「…玲央にゃん熱ーい」 隣で寝ていた美愛が俺の体に触れて言った。 「玲央にゃん、お熱?」 俺は、この部屋のどこかにある筈の体温計を探した。 「おっかしいな…。どこやったんだろ…」 抽斗やタンスを開けるが見当たらない。 この前の燃えるごみで間違って捨てたのか? 「…ないのー?」 美愛が聞いてくる。