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 一日中、美愛は絵をかいて過ごし、俺はゲームをして過ごした。

 うつ伏せでゲームする俺の背中に、美愛が跨る。

「…美愛、なんの真似だよ」

「玲央にゃんの背中の上、おもしろーい」

 美愛が喜んでるんだ、いいことじゃないか。

 なんて俺らしくないことを俺は考えた。

「…美愛」

 俺は一つ気になることがあって、美愛を呼んだ。

「なぁに?」

「なんで俺の家にいるんだ?」

 美愛は何も言わない。

「…美愛?おーい、聞いてるのか?」

 美愛は「うん」と小さく言った。

「聞いてるなら…」

「行くところないんだもん」