そのときだった。

「玲央にゃんはあげない!」

 俺の腰に、美愛が抱き着いてきた。

「美愛!?」

 俺は驚いて、持っていたフライパンを取り落す。フライパンが床に落ちて、大きな音を立てた。

「玲央にゃんは誰にもあげない~~」

 美愛が泣きそうに言う。

「美愛…」

 俺は美愛の小さな腕に触れた。

 美愛は、渚に対して、嫉妬したのだろうか?喜んじゃいけないことはわかってるけど、すげぇ嬉しい。