「渚…?」

 俺は驚いて渚を見た。

「ありがとな。でも、俺も自炊くらいできるようにならなきゃな。最近では料理できる男子はモテるっつぅし」

 俺の言葉に渚は何回も瞬きをした。

「玲央くん、変わった…」

 茫然としたように彼女は呟く。

「…変わったらだめか?」

 つぅか、俺が変わったのは美愛のせいだ、絶対!

「玲央くんは料理できなくてもモテますよ。だって、かっこいいから…」

 渚がボールにいれた材料を手で混ぜながら言った。

「…渚、ありがと」

「あ、あの、玲央くん。もう一度…付き合ってくれませんか…?」