俺の言葉に、渚は「そうなんですかー」と言った。

 俺は渚を台所に案内したあと、美愛を探した。

「美愛ー?どこだよ?」

 呼びかけても、応答はない。さっきまでソファの陰にいたはずの美愛は、いなくなっている。

 どこ行ったんだよ…。

 なんて思っていると、窓が開いていない筈なのにカーテンが揺れた。

「フッ…」

 俺は小さく笑い、台所に入った。

「なんか手伝うことあるか?」

「! 玲央くん…!」

 渚は恥ずかしそうに俯く。

「いや、美愛のためにもハンバーグの作り方覚えねぇとな」

「…わ、私、玲央くんさえよければいつでも作りに来ますよ?」