「美愛、今からお客さん来るから」 俺が言うと、美愛は首を傾げた。 「お客さん?」 初めて聞く英単語を覚えるかのように、その言葉を美愛は何回も繰り返した。 「そ、お客さん」 「どんな人?」 「俺の、元カノ」 「元カノ?元カノってなあに?」 美愛はそう言って、俺の座布団に跨(マタガ)る。 「昔付き合ってた女ってところ」 すると美愛は頬を膨らませた。 「やだぁぁ」