美愛は聞いてるのかないのか、俺が大事にしている犬の座布団と格闘していた。 「えいっ、やぁ、ふにゃっ!?」 一体、何の掛け声かはよくわかんないが、俺が会った女の中で一番かわいらしい声だった。 俺は、冷蔵庫を開けて気付いた。 何も入ってねぇぇ。入ってるのはお茶と、ジュースと腐った玉ねぎだけ。 ヤベェ。 「美愛」 俺は、美愛を呼んだ。 「なになに?」 「材料がない」 美愛が目を丸くした。 「ふぇぇえ…」 「悪いんだけどさ、今晩はカップラーメンでいいか?」