「それより、主。服の背中が」
「あ、ああああ!!」
私がいきなり大声を上げたもんだから、二人はビクッとして振り向く。
「王子サマのお背中が!」
私を助けてくれた時に、背中にガラスを踏んだまま滑ったのだろう。
背中の服が大きく破れて、僅かに血も滲んでいる。
「ホントにごめんなさい!! 必ず直して返しますだ! お裁縫は得意ですからぁっ!」
「いいのな。俺が自分でやったことな。ユノの練習にもなるしな」
にんまりと王子サマが見ると、ユノさんはふいとそっぽを向いた。
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