「彼氏…。そっか、羨ましいなあ…」
「ふふ」
…羨ましいと思った。本当に。
小熊さんは、窓に駆け寄った。
「宮下君、カッコいいなあ」
「ね、変な事聞いても良い?」
「うん?」
私は小熊さんに近付いた。
「…恋って、どんなの?」
「恋?」
恋。
それは、私が昔から気になっていた得体の知らない物。
私は…恋がした事無い。
「恋かあ…。難しいなあ、そんな簡単に現せる物じゃあないもん」
「え?」
「何時の間に好きになってたの、宮下君の事。そうだなあ。ただ一つ分かるのは、
宮下君といるとドキドキするの」
ドキ…ドキ?
「良く分かんないなあ…」
「うん?そう?…何て言うか、心が締め付けられるの」
「心?」
「うん、なんかくすぐったくて、苦しいよ」
心…心か。
私は少しガッカリした。


