サァー…………

「…な…さ

七草ァァァァァァァァァ!!」

地平線まで聞こえるかぐらいの、俺は怒りのこもった声で叫んだ。

「…うるっさいなぁ………」

だけどアイツには聞こえてなくて、いや、正確には届いてなくて、

声じゃないんだ…ッ。

俺はお前に俺の怒りを知ってほしいんだ。

「…雨。丁度良かった。音が、音のお陰であんたの声聞こえない。

……耳障りなんだよね」

クソ…何故だ。

やっと、やっと…

「…七草」

今までに無い、二人の距離はこんなに近いと言うのに。

「俺はお前に怒っている」

「…は?」

「俺は…俺が悪を消滅する」

「……犬、ごときが」

なのに何故アイツに響かない!!