「雪川さん、聞いて」
泣きじゃくっているわたしを、水原くんはじっと見つめた。
「水原くん・・・」
「俺は、新田が雪川さんにあんなふうに言ったのが許せなかった。
ショッピングモールの時だってそうだった。
新田が雪川さんのことバカにするようなこと言ってたから、『お前よりも雪川さんのほうが可愛い』って、言ってやりたかった。
俺は、新田が許せないと思って、殴ろうとした。
健と松浦さんが止めてくれなかったら、絶対殴ってた。
だから、俺がああやってしたのは、自分がしたかったから。
雪川さんは悪くない」
「でも・・・っ」
「俺が雪川さんには知られたくなかったから、2人・・・あと山寺には黙っててもらうように言った。
あんなふうに露骨に隠してたら、雪川さんだって仲間はずれにされたようで傷つくよね・・・
あれじゃ雪川さんを守るつもりで、ただの自己満足だった。
ごめんなさい」
水原くんは悲しそうな顔をした。
なんでだろ・・・
自分はこんなに泣いてるくせに、水原くんがそんな顔しただけで、つらくなる。
水原くん、笑って―・・・。

