「水原くんとかはよく知らないからアレだけど、理香は紗奈のこと困らせたりする子じゃないんだけどなあ・・・」
理香ちゃんは気が強くて口が悪い時もあるけど、ホントは友達思いで優しいんだ。
それは今まで一緒にいたから、わたしもよく知ってる。
「理香も教えてくれないなら、やっぱり何か事情があるんじゃないかな」
「事情・・・かあ」
「とにかく、何があったか分からないと理由も分かんないね・・・」
「おじゃましまーす!」
急にドアが開いてびっくり。
そこには百合ちゃんが立っていた。
「百合!」
「おばさんが上がっていいって言ってくれたからさあ。・・・あれ、どうしたの?2人とも・・・」
わたしたちがよっぽど深刻そうな顔をしてるように見えたのか、百合ちゃんは不思議そうに首をかしげた。
「ねえ百合、新田エリカって知ってる?」
「新田エリカ?ああ、茶髪のケバいやつでしょ?」
百合ちゃんは腰を下ろしながら、舞華ちゃんと同じことを言った。
「急にどしたの?あ、そういえばエリカっていえばさあ、この前廊下で騒ぎ起こしてなかった?」
「えっ!?」
わたしと舞華ちゃんは、百合ちゃんの言葉に過剰に反応した。

