「雪川さん」


「は、はい」


「キスしてもいい?」


「えっ!?」




ここで!?


みんな今頃、背中の向こう側で、閉会式をやってるっていうのに………。




「こ、こんなとこで、恥ずかしいよ…」


「もう我慢できない。ずーっと我慢してたんだから」



あと数センチの距離で、水原くんにじーっと見られる。


やっぱり、きれいな透き通った目。



わたしの心を見透かすようで、素直にならなきゃって気にさせる。




わたしは、そっと目を閉じた。



そして、わたしの唇に、水原くんの唇が触れる。



幸せで幸せで、幸せでたまらなかった。