青いブレスレット

家に帰ると、中谷のことを思い出した。



そうだ、さっきのお礼言わなきゃ。



携帯のアドレス帳を開くと……


………あった、中谷誠(マコト)。



そういえば、別れたあともアドレスを消せずに取ってたんだっけ。


どこまで自分は弱いんだと思いながらも、この時ばっかりは消さなくてよかったと思った。



【今日は助けてくれてありがとう
メロンパンもいただきました

本当にありがとう】


要件だけ書かれた、とてもシンプルなメール。

わたしは迷わず送信した。



その数分後、電話の着信音が鳴った。



開くと…中谷だ。



「…もしもし?」

『紗奈?今日は安静に過ごせよ』

「うん、ありがとう」

『紗奈、お前あいつと別れたのか?』


…超ストレートな質問。

水原くんと別れてから、こんなにストレートに聞いてくる人はいなかった。



「…どうでもいいでしょ」

『ふーん』


バカにするならすればいいさ。

そう思っていたら、中谷は意外なことを口にした。



『じゃあさ、24日って空いてる?』

「…は?」

『空いてるよな。どっか行こうぜ。13時に街のでっかいツリーの前集合な。それじゃ』



プツッ。

ツーツー。



…なんて一方的な電話。




てゆーか、なんでわたしのこと誘うの?


わたしのこと振ったくせに。



わけが分からない。



だけど………


行けない理由なんかない。



水原くんのことが頭をよぎるけど、水原くんだってきっと女の子たちと過ごす。


家にいたら、そのことばっかり考えてしまいそう。



5分後には、わたしは部屋で服選びをしていた。