青いブレスレット

「水原ー、もっと力いっぱい蹴れよ!」

「…ああ」


やる気が起きなくて、軽くしかボールを蹴っていなかったら、みんなが文句を言ってくる。



「水原って蹴る力無いんじゃね?」

「へー水原にも弱点あったんだな」



…なんだと?

西野もみんなも笑いながらからかってくる。


いつもなら軽く流すけど、今日はイラついてしまう。



そんなに言うなら、思いっきり蹴ってやるよ………!!!



俺は力をこれでもかってくらい込めてボールを蹴った。


ボールは正面にいる西野の頭を越えて、中庭の方へ飛んでいく。



「極端なやつだな!飛ばし過ぎだろ!」

「早く拾ってこいよー!」



はあ…ずいぶん遠くまで飛んで行ったな…。


すぐに見つかるかな。



中庭に入ると、女の子4人が芝生の上に座っていた。

そのうちの一人は頭を押さえてうつむいている。


近くにはサッカーボールが転がっていた。



もしかして、この子にボール当たっちゃったのか!?


「ごめんなさい、大丈夫!?」


謝ると、他の女の子たちがこっちに向かって責め立ててくる。


「ちょっとあんた!危ないでしょ!?」

「サッカーならグラウンドでやりなさいよ!」



…ごもっともだと思った。

だからサッカーなんてやらなきゃよかった。



「ゆ、百合ちゃん、理香ちゃん、わたしは大丈夫だから。あなたも、そんなに気にしないでくださ…」


頭を押さえていた女の子はそう言いながら頭を上げ、俺を見て言葉が止まる。



……………

雪川さん……???



雪川さん!?!?!?



雪川さんは俺の顔を見て固まっている。

芝生にはおにぎりが転がっていた。、



やばい。

昨日に引き続いて、俺はとんでもないことをしてしまった………。



「水原ー、早く戻ってこいよー」



あ、西野が呼んでる。



雪川さんに何か言われる前にとりあえずこの場から離れたいと思った。



「ああ、今行く!ホントにごめんね」


とりあえず謝って急いで西野たちの元へ戻った。



「おせーよ!どこまでボール探しに…ぐえっ」


西野に向かってボールを蹴りつけて、昇降口へと走った。


「水原!お前どこ行くんだ!」

「悪い、ちょっと抜ける!」



そのまま校舎に入り、全力で売店まで走った。


「すいません、おにぎり売ってますか?」

「今日はもう売り切れちゃったよ。パンならあるけど」



落とした分のおにぎりを買って返そうと思ったけど、代わりにパンでも大丈夫かな。


女の子がどんなパン好きなのか分からない。

あるのは焼きそばパン、カレーパン、あんパン………


………クリームパン。



たしかこのクリームパンおいしいってクラスの女の子が言ってた気がする。

結構大きいけど、ペロッと食べられるとか。


「これください」



俺はそれだけ買って中庭に走った。