別に聞こえないふりをしたわけではない。 もう一度、この人の口から、 はっきりとした完成を告げてもらいたかったから、 俺は再度聞き直した。 「…」 「おい?」 「…多分、出来ました」 ゆっくりと、筆が止まる。