ザッと多数の男性が琴音と彩音を囲むかのように集まっていた
黒いスーツに紅き血は紅黒く見えていた
「もう君たちしかいないよ」
女性はもう二人しかいない
皆食べられてしまった
二人はそう悟った
逃げ場が無くて琴音はタジリ、と一歩後ろへ下がる
彩音は戦う気満々なのか、構えている
「琴音………いくよ」
「………うん、」
スゥ、と二人は深く息を吸う
男性は無駄な足掻きだとケラケラ笑う
そして彩音は一気に目を鋭く細めて
「――――てりゃぁぁあああ!!!」
――――ガスッ!
後ろへ飛び蹴りした彩音の蹴りは男性の顔面へ直撃
怯んだ間に彩音はそこを中心に男性二三人蹴り、道が出来たことで琴音の手を引いて走る
「追えーーー!」
仕切る男性はバッと男性たちを命令し、追いかけていく
出口の扉へ手をかけ、勢いよく開けて数人扉へ当り、最後に閉める
あけようと男性たちはガタガタドアノブを動かす
乱暴のしすぎにバキッとそちら側のドアノブが壊れた
他の扉へ向かうが全部、開かない
「琴音、大成功!」
「うん、」
イエーイ、とハイタッチする二人
だが、それも時間の問題
いつ出てくるのか不明で、いろいろ対策をしなければならない
うーん、と悩む二人
その案が、警察へ連絡
バッと走り出して目指すは公衆電話
少し血を拭いて走っていくと公衆電話を見つけ、急いで連絡
《はい》
「ああ、警察ですか?今すぐ来てください!女性が大量死亡したんです!
男性、種族は虎(タイガー)!」
《……わかりました。暫くその種族から見つからないようにしてください。きっと君たちが相手しているのは誘惑する虎でしょう
一度嗅いだ匂いは嫌だって程しぶとく追いかけてきます
急いで駆けつけますので!》
ガチャンッと電話線が切れる
暫く逃げなければいけない
「一時のバトルロワイヤルだよ」
「………どうするの…?」
「警察が来るまであの虎から逃げる
んじゃなきゃ私と琴音の命が危ない」
彩音はギュウッと拳を握る
琴音は夏が苦手だから時間の問題でもある
出来るだけ涼しいところで体力を回復しないと琴音が危ない
彩音は琴音を引いて日向へ出る
そして人気のいない所へ走る
ミンミン邪魔する鳴き声にイライラする彩音
琴音は少しずつ弱っていく
限界になると水分補給や冷たい所へ連れていき、またあの場所へ近づいては離れて近づく
「そろそろ来ても良い頃なんだけどな、」
「まだやって来ないね………」
琴音の紅い瞳は何かを捉えた
「琴音!危ない!」
ドッ!と押されて彩音は琴音を抱きながら尻餅を着く
一瞬にて日影から日向へ出る
ビィィン、と振動するものは爪
するとビュンッと勢いよく二人へ降り注いで来るものは大量の男性
慌てて彩音と琴音は逃げるように避けるが、琴音の背中に一人の男性が降りてきてバンッと音と共に琴音は倒れた
彩音は琴音を助けようと走った途端、男性がやってきた
もうだめ、そう決めつけていた彩音は覚悟を決めた
―――――ダンッダンッダンッ!!!

