「はーい!皆様よくお集まり頂き、誠にありがとうございます」

マイクロフォンを握って司会をする男性
気づけば客以外皆、男性
琴音は司会のヒトと目が合い、目を細める司会者に寒気が立った
コソッと彩音に隠れる琴音に彩音はなんだ?と奇異な顔で見ている
いつも隠れているのは当たり前の事だが、ガタガタ震え、ギュッと服を掴んで怯える兎のように彩音、彩音と連呼する
キャーキャー黄色い声を上げる、全員客の女性が騒ぐ中、彩音はなんなの?と琴音と同じ背になって問いだてる

「ココ………怖い……」

顔を真っ青にして目を見開いてビー玉のような綺麗な眼球は小さくなって動いている
異常な琴音に彩音は一体なんだ?と琴音を見る
琴音は直感が冴えている故、耳や鼻が良い
悪い気を感じた琴音はココから出ようと彩音を引っ張る

「ちょちょちょ、琴音!?」

体が小さい琴音は彩音を掴んでスイスイ女性たちを避ける
出口が見えて琴音は一瞬気が晴れた
だが

スッ

琴音の目の前に男性が立っていた
さっきの受付のヒトで琴音はビクリ、と震えた

「ダメですよ?まだまだ終わりではありません」

ニコ、と笑う受付の男性に琴音は退かせようと動く
いつもの琴音ではない琴音に彩音は茫然としていた